研修プログラムの概要
プログラムの理念
福井県済生会病院は「患者さんの立場で考える」を病院理念として、充実した医療設備に加え、財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価認定やISO9001認定を取得するなど、常に変化する医療環境に対応した質の高い医療の提供に努めています。
本院の特色は、次の四点です。
- 1.地域の中核病院として「日本一の地域医療システム」を目指しています。全てを病院で診るのではなくて、地域での役割分担を明らかにしながら、地域全体で完結する医療を目標にしています。医師会メンバーとの糖尿病共通ガイドライン作成や各種の連携パス、常に高い逆紹介率にそれが現れています。
- 2.がんの包括的診療を構築しています。各種がんに対する低侵襲な治療を、病院を挙げて追求しています。2009年3月からは、最新型のIMRTの放射線治療機(トモセラピー)も導入しています。また、緩和ケアは、1998年のホスピス建設以来、県下の緩和ケア医療をリードしています。緩和ケアに力を入れたがん診療連携拠点病院として、専門性の高い医療を追求しています。
- 3.急性期医療として24時間365日体制で対応しています。特に心疾患や脳卒中は早期のケアで後の症状に大きく差がつくため、専門スタッフによる診療体制の整備を進めています。
- 4.予防医療を積極的に推進しています。健診機能の充実とデータを蓄積し、病気になる前に予防ができるよう努めるとともに、テーラーメイド指導など患者さん一人ひとりにあった健康づくりに取り組んでいます。
このようなあらゆる医療環境が整った中で、当院の研修プログラムはプライマリ・ケアの基本的診療能力を学ぶのみならず、臨床医に求められる高い倫理性と思いやりの心を養い、Cureに留まらずCareを含めた全人的視点を備えた“心温かい医師”を育てることを理念としています。
プログラムの目標と特色
《プログラムに関する基本的な考え方》
- ① 医師卒後臨床研修の理念と到達目標を達成できる内容の研修を提供することを原則としたプログラムである。
- ② 1年次は、プライマリ・ケアで臨床医として必要とされる基本的臨床能力を身に付けるために、主に内科系を中心に基本的な診察法や診断学、検査や処置などの基本的な手技を研修する。
- ③ 2年次は、1年次で修得した内科系の知識や技能を基礎に、主に外科系の技能を研修し、研修修了後のキャリアパスを考慮する上で有用な研修になるように研修医個々の選択に応じた研修ができる。